2023年度 土木学会関西支部技術賞を決定しました
土木学会関西支部技術賞は、土木技術の発展に貢献する優れた業績を表彰することにより、その成果をたたえるとともに支部会員の意識の高揚を図ることを目的として1982年に設けられた表彰制度です。
2023年度は6件のご応募をいただき、選考の結果、技術賞4件を決定しました。(技術賞部門賞は該当なし)
技術賞の表彰は、2024年5月17日に建設交流館で開催される「土木学会関西支部 第97回支部総会」で執り行われ、賞状などを授与いたします。
なお、掲載の記事・写真・図表の著作権は、受賞団体および公益社団法人土木学会関西支部に帰属します。
技術賞
- 【対象業績】
- アースドリル工法による鋼管矢板建込工法の適用
- 【受賞者】
- 堺市上下水道局
- 地方共同法人日本下水道事業団
- 株式会社大林組
- 株式会社大本組
- 株式会社国誉
- 【業績説明】
- 【授賞理由】
- 本業績は、大深度・大規模掘削における土留め壁の造成にあたり、前例の少ないアースドリル工法を採用し、鋼管矢板の継手形状や建込方法等において技術的な創意工夫を施すことで、高い施工精度や止水性を確保した工事である。同時に、汚染土処分による全体事業費の圧迫が懸念されるなか、施工に伴い発生する、汚染土を含む掘削土を可能な限りリサイクル・再利用することで、大幅なコスト縮減を図ったことも総合的に高く評価し、技術賞とした。
技術賞
- 【対象業績】
- 狭隘箇所での施工・度重なる切換工事による複線化完遂 ~奈良線輸送改善~
- 【受賞者】
- 西日本旅客鉄道株式会社
- 京都府
- 京都市
- 【業績説明】
- 【授賞理由】
- 本業績は、施工条件の厳しい市街地において複線化及び駅改良工事を完遂し、利用者の利便性・安全性の向上を果たしたものである。営業線や民家と近接した、非常に狭隘な施工スペースや夜間に限定される施工時間など制約条件が非常に多い中、新たな技術等を駆使し課題を克服しながら、安全に事業を完遂した点が高く評価される。また、沿線住民との交流を図るとともに、複線化や関連事業を通じて沿線地域の発展に貢献しており、喜ばれる技術としても評価し、技術賞とした。
技術賞
- 【対象業績】
- 技術提案交渉方式による山岳トンネル工事の設計と施工
- 【受賞者】
- 国土交通省近畿地方整備局兵庫国道事務所
- 株式会社鴻池組
- 株式会社オリエンタルコンサルタンツ
- 【業績説明】
- 【授賞理由】
- 本業績は、国道176号名塩道路の4車線化事業に伴い、厳しい施工条件における施工となった城山トンネル工事の設計・施工を行ったものである。本業績は、近畿地方整備局で初めてのECI方式で行われ、関係者が事前に課題を共有・解決することやBIM/CIM、DXの活用、独自の施工技術の採用など技術力を駆使し、厳しい施工条件のもと種々の課題を克服して安全管理・品質確保・環境対策を行い、大きな成果を挙げた点を評価し、技術賞とした。
技術賞
- 【対象業績】
- 寝屋川流域下水道門真守口増補プロジェクト -魅力溢れる施工と空間利用-
- 【受賞者】
- 大阪府東部流域下水道事務所
- 株式会社ニュージェック
- 大成建設・村本建設・中林建設共同企業体
- 【業績説明】
- 【授賞理由】
- 本業績は、大雨による浸水発生を抑制するための下水道増補幹線を、市街地道路下に泥水式シールド工法で築造した事業である。周辺環境への配慮を強く求められるなか、シールド機地中接合部への凍結工法の採用や騒音対策工の実施など様々な技術的対策を駆使し、施工上の制約を克服した。また合成セグメントに環境配慮型セグメントを導入し、建設技術の発展にも寄与した。施工現場を提供したアーティストのMV制作協力などユニークな事業PR方法も評価し、技術賞とした。